身近な邪悪とありふれた賢者

カルト被害が意外と身近にもあった話。

 

統一教会の騙し打ちのような手口でよく分からん必要のないものを十何万で買わされた被害者女性が身近にいた。
たまたま話をしていて「私にもこんな事があった」と聞いた話。30年以上前の話らしいが。

 

その女性の当時の近所の人が隠れ信者だったらしく、その近所の人に統一教会云々とは知らされずに誘われて(まだ小さな子供と一緒に)連れて行かれて、その先で「何を買うか」という話とか「通帳は持ってますか?印鑑は?」みたい無茶苦茶な話になり、もちろん断り続けたが、「何を言っても帰らせてもらえない」状況に陥った。最終的には十数万円で何かを買わされて終わったらしい。

 

「え、そんなお金、もったいない!?明らかに不要なものに!」とは話だけ聞けば思うが、(当時、小さな子供を連れた)女性が置かれたその状況を真面目に想像すると、最終的にお金を払ってでも不穏な状況から辛うじて逃れた気持ちにも同情した。

 

その女性はごく普通の人だが、自分の知る限り、理性的な人だ。
だからその経験談を聞いて、そんな経験があったからこそ理性に磨きがかかったのかも知れないし、そんな理性的な人でも騙されて被害に遭い得るということかも知れない。などと思った。

 

その人は「それ以後は気をつけている」と(当然と言えば当然だが)言った。その人の批判精神と懐疑精神を自分もよく知っている。
それと同時に、「私は宗教は嫌いじゃないのですよ」とも言った。つまり過度の一般化はしていない。
適切なバランス感覚に感心する。
身近にいるありふれた賢者の話でもある。

 

ではまた。

Yu